"水滴とは"
水滴とは書道具の一種で、硯(すずり)で墨をする際に使う水を差す小さな注器のことです。上出長右衛門窯では「干支水滴」として戌年の2018年より、毎年その年の干支にちなんだ水滴を作っています。本品は2019年亥年の作で、イノシシの形を道具に落とし込んだ愛らしい水滴です。
"唐草のレリーフ"
本品には三つの特徴があります。一つ目はイノシシらしく注ぎ口が鼻部分に二つあること。機能面での意味はありませんが、二つの穴から水が出る様子を楽しめます。二つ目は背中の唐草のレリーフ。イノシシの子供をウリ坊と呼ぶことから、瓜の唐草を彫り込みました。またその際、背中が蓮弁(蓮の花びら)の形に似ていたことから、三つ目の特徴として、天面に散華(さんげ)のイメージを追加しました。散華とは蓮弁に模した紙片を撒く仏教の行事のことで、現代では様々なデザインの散華が作られています。
美術散華保存会
https://www.sange-npo.jp/index.html
“コミュニケーションツール”
文房具は古くより愛用されると共に愛玩され、喫茶文化と同じように、書斎でのコミュニケーションツールの一つでした。素材や形も多様で可愛らしいサイズの水滴は、現代でも多くのコレクターがいます。使用する際は、天面の小さな穴から蛇口を細くして水を注ぎ入れます(または水中に沈めます)。天面の穴を指で押さえながら本体を傾け、少しづつ指を離して水を垂らしてください。
designed by KAMIDE KEIGO
7.2×4.3×h2.7cm/化粧箱入
IGTV: https://www.instagram.com/tv/CTmhBtVlS_8/?utm_medium=copy_link
※タワシや研磨剤のご使用はお控え下さい。